冷凍食品を購入する場所、ドラッグストア・コンビニが伸長(2018年と比較)
まずアンケートでは、「冷凍食品を購入する場所」および、「利用頻度」を、前回2018年10月結果と比較しました。普段冷凍食品を購入すると回答した人(2018年N=2806人、2021年N=2609人)に、「冷凍食品を購入する場所」を尋ねると、主戦場は「スーパー」であり、およそ9割を占めますが(2018年89.2%、2021年94.1%)、特にコロナ禍では、冷凍食品売り場の拡大により、「ドラッグストア」が<12.8%→36.5%:+23.7pt>、PB冷凍総菜や冷凍野菜といった商品投入により、「コンビニエンスストア」は、<5.9%→26.6%:+20.7pt>と、いずれも大きく伸長しました。
コメントをみると「スーパーやコンビニで冷凍食品コーナーを覗く機会も増え、よく購入する(就業中50代女性)」店頭で商品を手に取る機会が増えた人や、「ドラッグストアで決まったものを特売の時に買うことが多い(就業中60代女性)」特売を利用してストックする人も多くことがわかりました。
また、「ネット通販」は少数派ながらも、<1.1%→6.3%:+5.2pt>」となり販売チャネルが広がっていることがわかります。「宅配の場合はスーパーに売っていない珍しい冷凍食品が多いので最近はスーパーよりも多く買っている(就業中50代女性)」といったコメントがありました。
「週に2回以上、冷凍食品を利用する人が半数近く」
次に、「冷凍食品の利用頻度」は、「週2回以上利用する人」は、<38.8%→49.8%:+11.0pt>と最も増加し、日常的に利用する人が増えていることがわかりました(図表2)。
冷凍食品の利用が増えた理由は「外食に行けない」「自炊を楽にしたい」が半数以上
次に、普段冷凍食品を購入すると回答した人(N=2609人)に、「コロナ感染拡大前と現在における冷凍食品を食べる頻度の変化」を尋ねると、7割が「今も感染拡大前も利用頻度は変わらない(70.7%)」と回答しましたが、2割以上が「現在のほうが利用頻度が増加した(24.9%)」と回答しました。年代別では、「20代~30代(26.0%、N=573人)」、「40代~50代(25.0%、N=1721人)」、「60代以上(21.9%、N=315人)」となり、若い人ほど「利用が増えた」と感じていることがわかりました。
そして、「現在のほうが冷凍食品の利用頻度が増加した」と回答した人(N=649人)に、「その理由(選択肢・複数回答)」を尋ねると(図表3)、「外食に行けないから(55.2%)」、「自炊機会が増え少しでも楽したい(54.7%)」といった、コロナ禍の食卓ニーズを解消する目的で利用が増えていることがわかりました。
また、「おいしくなったから(31.3%)」というように、「手頃でおいしいものが増えたから」など、味への評価を挙げるコメントが多くみられました。また、「価格が安定しているから(33.4%)」や「節約のため(25.0%)」といった、天候などによる野菜の高騰を受けにくいことや、調理時間短縮のために下ごしらえ済みの冷凍野菜を支持するといった声もありました。
冷凍食品の利用シーン「テレワーク」の影響で昼食が伸長
次に、普段冷凍食品を購入すると回答した人(2018年N=2806人、2021年N=2609人)に「冷凍食品を利用するシーン(選択肢・複数回答)」を尋ねると、最多回答は「夕食」で<57.7%→60.6%:+2.9pt>となりましたが、「昼食<40.4%→48.1%:+7.7pt>」や「お弁当<25.3%→30.9%:5.6pt>」は、「夕食」よりも増加率が高いことがわかりました。
その理由としては、「テレワークのランチ利用」といったコメントが多く挙がり、「コロナで人混みを避けるため、ランチを買いに行かず冷凍食品中心の弁当を作るようになった(就業中50代女性)」コロナ禍で弁当を作るようになったなど、テレワーク中のランチ事情と大きく関わりがあることがコメントから伺えます。
前半の調査結果からは、コロナ禍における冷凍食品の利用状況は、外出自粛やまとめ買い、テレワークなどライフスタイルの変化により、主戦場はスーパーだけではなく、ドラッグストアやコンビニエンスストア、ネット通販など、販売チャネルや商品カテゴリーが広がり、利用頻度は「週2回以上利用する人」は半数近くとなりました。
味や質においても、消費者の評価は高く、様々な食卓ニーズを取り込み、食生活の一部となっていることがわかりました。
後半は「レシートデータから購買行動の分析結果」を紹介します。お楽しみに。