食品業界最前線

「冷凍食品」販路・商品拡大で「週2回以上利用する人」は半数近く

冷凍食品の利用状況に関するアンケート結果 前半

フィールド・クラウドソーシング事業を展開する株式会社mitoriz(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、全国のアンケートモニター(以下、POB会員)から月間1500万枚のレシートを収集する国内最大規模の(提携サイト含める)、日本初のレシートによる購買証明付き・購買理由データベース「マルチプルID-POS購買理由データPoint of BuyⓇ(以下、POBデータ)」を活用し、生活者の購買行動を分析しています。

コロナ禍の巣ごもり需要やまとめ買い、テレワークのランチなど、簡便・保存性の高さから以前より需要が伸長する冷凍食品。冷凍食品の購買行動の変化、消費者が冷凍食品に求めることとは何かーー

連載2回目は、10月18日「冷凍食品の日(社団法人 日本冷凍食品協会制定)」にちなんで、全国のPOB会員に対し、「冷凍食品の利用状況に関するアンケート」を2021年9月25日~9月26日に実施しました(N=2609人、普段冷凍食品を購入する人:平均年齢47歳、全国エリア)。

「新型コロナ感染拡大前後における、冷凍食品の利用状況の変化」前半と後半に分けて紹介します。

冷凍食品を購入する場所、ドラッグストア・コンビニが伸長(2018年と比較)

まずアンケートでは、「冷凍食品を購入する場所」および、「利用頻度」を、前回2018年10月結果と比較しました。普段冷凍食品を購入すると回答した人(2018年N=2806人、2021年N=2609人)に、「冷凍食品を購入する場所」を尋ねると、主戦場は「スーパー」であり、およそ9割を占めますが(2018年89.2%、2021年94.1%)、特にコロナ禍では、冷凍食品売り場の拡大により、「ドラッグストア」が<12.8%→36.5%:+23.7pt>、PB冷凍総菜や冷凍野菜といった商品投入により、「コンビニエンスストア」は、<5.9%→26.6%:+20.7pt>と、いずれも大きく伸長しました。

コメントをみると「スーパーやコンビニで冷凍食品コーナーを覗く機会も増え、よく購入する(就業中50代女性)」店頭で商品を手に取る機会が増えた人や、「ドラッグストアで決まったものを特売の時に買うことが多い(就業中60代女性)」特売を利用してストックする人も多くことがわかりました。

また、「ネット通販」は少数派ながらも、<1.1%→6.3%:+5.2pt>」となり販売チャネルが広がっていることがわかります。「宅配の場合はスーパーに売っていない珍しい冷凍食品が多いので最近はスーパーよりも多く買っている(就業中50代女性)」といったコメントがありました。

「週に2回以上、冷凍食品を利用する人が半数近く」

次に、「冷凍食品の利用頻度」は、「週2回以上利用する人」は、<38.8%→49.8%:+11.0pt>と最も増加し、日常的に利用する人が増えていることがわかりました(図表2)。

冷凍食品の利用が増えた理由は「外食に行けない」「自炊を楽にしたい」が半数以上

次に、普段冷凍食品を購入すると回答した人(N=2609人)に、「コロナ感染拡大前と現在における冷凍食品を食べる頻度の変化」を尋ねると、7割が「今も感染拡大前も利用頻度は変わらない(70.7%)」と回答しましたが、2割以上が「現在のほうが利用頻度が増加した(24.9%)」と回答しました。年代別では、「20代~30代(26.0%、N=573人)」、「40代~50代(25.0%、N=1721人)」、「60代以上(21.9%、N=315人)」となり、若い人ほど「利用が増えた」と感じていることがわかりました。

そして、「現在のほうが冷凍食品の利用頻度が増加した」と回答した人(N=649人)に、「その理由(選択肢・複数回答)」を尋ねると(図表3)、「外食に行けないから(55.2%)」、「自炊機会が増え少しでも楽したい(54.7%)」といった、コロナ禍の食卓ニーズを解消する目的で利用が増えていることがわかりました。

また、「おいしくなったから(31.3%)」というように、「手頃でおいしいものが増えたから」など、味への評価を挙げるコメントが多くみられました。また、「価格が安定しているから(33.4%)」や「節約のため(25.0%)」といった、天候などによる野菜の高騰を受けにくいことや、調理時間短縮のために下ごしらえ済みの冷凍野菜を支持するといった声もありました。

冷凍食品の利用シーン「テレワーク」の影響で昼食が伸長

次に、普段冷凍食品を購入すると回答した人(2018年N=2806人、2021年N=2609人)に「冷凍食品を利用するシーン(選択肢・複数回答)」を尋ねると、最多回答は「夕食」で<57.7%→60.6%:+2.9pt>となりましたが、「昼食<40.4%→48.1%:+7.7pt>」や「お弁当<25.3%→30.9%:5.6pt>」は、「夕食」よりも増加率が高いことがわかりました。

その理由としては、「テレワークのランチ利用」といったコメントが多く挙がり、「コロナで人混みを避けるため、ランチを買いに行かず冷凍食品中心の弁当を作るようになった(就業中50代女性)」コロナ禍で弁当を作るようになったなど、テレワーク中のランチ事情と大きく関わりがあることがコメントから伺えます。

前半の調査結果からは、コロナ禍における冷凍食品の利用状況は、外出自粛やまとめ買い、テレワークなどライフスタイルの変化により、主戦場はスーパーだけではなく、ドラッグストアやコンビニエンスストア、ネット通販など、販売チャネルや商品カテゴリーが広がり、利用頻度は「週2回以上利用する人」は半数近くとなりました。

味や質においても、消費者の評価は高く、様々な食卓ニーズを取り込み、食生活の一部となっていることがわかりました。

後半は「レシートデータから購買行動の分析結果」を紹介します。お楽しみに。

調査概要

~30代 40代 50代 60代 合計
女性 411 478 474 114 1477
男性 162 352 417 201 1132
男女計 573 830 891 315 2609
(%) 22.0% 31.8% 34.2% 12.1% 100.0%

調査日時:2021年9月25日~26日
調査方法:インターネットリサーチ
エリア:全国
調査機関:株式会社mitoriz

マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy

Point of BuyⓇデータベースは、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。

同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供します。

集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。

お問い合わせフォーム:https://www.sbfield.co.jp/contact/contact-corporation
サービスページURL:https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos

株式会社mitoriz 会社概要

株式会社mitorizは、ソフトブレーン株式会社(本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として2004年7月に設立(ソフトブレーン・フィールド株式会社)。2022年1月1日に、ソフトブレーン・フィールド株式会社から株式会社mitorizに社名変更。全国の主婦を中心とした10万人を超える登録スタッフネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など227,537店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。キャスト・データ・ネットワークを活⽤して、新たなつながりを創出し、⼈やモノの潜在価値を顕在化し、社会に新たな価値を提供します。持続可能な社会の実現に貢献していきます。

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